緑はある面、光と闇のバランス、すなわち明るい黄色と暗い青色のバランスとして体験される色です。しかしその均衡は、実際に真ん中の位置にはありません。注意深くその2色を混ぜ合わせていくと、現れる緑色は最初の「生みの親」よりも暗く感じられます。どんな緑色も暗さと特別な関係にあり、緑を描く時にこの関係を一種の重たさとして感じることができます。かつてシュタイナーが緑は色相環の青の側、すなわち冷たく暗い側の色に属すると言った所以がそこにあります!

緑を画面に描く時には、その他の色で支えるようにしなければなりません。そうしないと緑が落下していくように見えたり、自分が緑と共に落ちて行くように感じるでしょう。

さらに意識して区別し、はっきりと境界のある形を与えないと、緑はどこまでも水平方向に広がる傾向があります。それゆえに緑は、風景画というジャンルがあるかぎり、風景の特徴を描く上で理想の欠かせない色なのです。下記の絵をご覧になると、様々な緑を観察できます。青緑、シルバー・グリーン、黄緑などです。これらの色は他の色を飲み込み、もっと重たくそして「静か」に沈め、「像の色」に変えてしまうように見えます。

象徴的に「希望の色」と無造作に繰り返すのはよくありません。色の本質から遠のくばかりです。この「希望」という名前に関連できるのは、明るい黄緑や春の幾分白っぽい緑だけで、色相環の真ん中に配置された緑とは違う色です。

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