自然現象に現れる白を求めるなら、その答えは最も淡い黄色でなく最も明るい青色となるでしょう。実際にその位置づけは、青のもつ緊張感と内的な動きを体験的にたどることで明確になると思います。そこで次の図に示すように、生き生きとした青を描けばよいことになります。

画像の説明

青は常に周辺へと動いて行くので、その中心が一種の明るい場として開けます。青は薄くなり白が生まれてくるかのようです。この状況は移り行く景色の中でよく目にします。青空にこつ然と白い柔らかな雲が現れたかと思うと、見る間に大きくなり、あるいは蒼穹のかなたに再び消えて行きます。同様の理由から、地平線の近辺でも空がより明るく白くなるように見えます。

これまでの説明は、白と色相環の右側部分の関係でした。まずは現実に即して自然なものであると言えるでしょう。しか左側部分には随分異なる、もっと理想的な関係があります。白と黄のその関係は一種の競合です。もちろん光に属していることを考えれば両者は同類です。さらに興味深く思えるのは、ここで光に最も近いのはどちらだろうと尋ねてみることです。

これは単に理論上の問いかけではありません。二色を同じ絵の中に扱おうとする画家にとっては本質的で実際的な問題です。画家がまず気づかねばならないのは、黄色の生き生きとした躍動的な力であり、それをシュタイナーは「精神の輝き」と名づけました。その黄色の特性は周囲の白い表面をすべて覆い尽くし、近隣全体をくまなく輝き照らすことができるものです。もし白い面を残して置きたいならば、それを取り囲み、黄色から守らなければなりません。

白はこのように動きが少なく、いっそう無私に近い色、すなわち待ち受ける魂の純粋なイメージです。それは様々な色彩の下に隠れた純潔の乙女であり、それゆえ私たちはこの色をほとんどの場合、様々な色を置くベースとして紙の地色のまま使います。そしてこの無私なる存在を忘れてしまうのです!

絵画の中で白をふさわしく描こうとするなら、影に対抗して他の色面を照らし出すものとして扱うのでなく、白としてふさわしい形とスペースと命を与える必要があります。白をその必然性にしたがって、より本質的に描くのには注意深さが必要です。

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