色彩存在を語るのに、人の魂のしるしを無視するのは不可能です。
つまり人体を住処とし、考え、感じ、意志をもつこの存在が、これまで以上に私たちの考察に関わってこなければならないということです。
とりわけ感じる魂である人間は、身体に束縛され自己の「檻」の狭さを感じているばかりではありません。
呼吸の波に乗って、周囲の地球存在たちのところへ出かけて行き、運命を分かち合っているのです。
世界に共感して自己を「開示(express)」し、
次の瞬間には、その知覚した全てが「刻印(impressed)」されます。
息を吐きながら、自己を感じる魂としての自分自身を解き放ち、吸う息と共に再び感じる自己へと戻っていきます。
これはほとんど潜在意識のプロセスですが、簡単に観察することができるでしょう。
この現象の有機的な側面を見る時、そこに関わる物質交換を考慮する必要があります。
植物と人の類似性は呼吸にあります。もっと厳密に言えば、人体組織は植物で行われている呼吸に対して、「逆呼吸」を発達させています。
植物組織が炭素を保留して酸素を放出すると、反対に人体組織はその酸素を使って血液を甦らせ、炭素をガス状化合物CO2として吐き出します。(マーガレット・ハウシュカより)
そのことからもわれわれは植物を同化するのでなく、それ以上に植物の特性を克服している、と感じることができます。
青色の中では自分の「吐く息」を体験し、それと共に外界の自由な空間へと導かれ、暗闇(黒または炭素)を押し返します。
黄色の中には物質のパワーを体験し、その力は私達の命、酸素を新しく甦らせて自己意識を高めます。
植物の緑色と人の本質とのこの関係は、色の結び目に明確に記録されています。
三日月形の緑の上に、肌色もしくはピーチブロッソムの丸形の領域があります。植物を月との関係で語ることができるとしたら、それは古い月の本質からたち昇ってくる新しい太陽のようです。
青は私達を身体の外へと連れ出す側の色です。
こうして私達は炭素を外に押しやります。
もう一方の、結び目の左側に並ぶ色達は、私達を血液の生命へと引き戻します。
酸素は赤血球と結びつき、最終的には人体組織が新たに生み出した暗い炭素と結びつき、再び吐き出すことになるガス、二酸化炭素を作ります。このようにして私達は血液の抱える毒性から解放されています。
結び目における赤は、したがって黄/オレンジと黒の間に現れます。つまり血液のプロセスとしてこれまで述べてきたことが、水平の関係です。
垂直にはもうひとつの関係性が見えます。
最初、赤は上方へ輝くことはできないと感じられるかもしれませんが、その色の超感覚的なパワーを想像できた時、植物への傾向をもつ緑が克服され、赤が図の上部へと広がっていきます。
その結果が人の肌色となり、色の結び目の頂点に現れます。
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